スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

変化と政治

昨日は久々に会心の熟睡でした。
いつどのように寝たのかも覚えてない。


てことで昨日は日記も書きそびれてしまったんだけど、その日は六本木ヒルズ行ってきてました。
目的はコロンビア大学教授のジェラルド・カーティス氏の講演。
専門は日本政治外交、比較政治学、日米関係、米国のアジア政策(by GRISP)で、アメリカにおける日本政治研究の第一人者です。

今回の講演自体は著書の出版記念(『政治と秋刀魚~日本と暮らして四五年~』日経BP社)の講演で、くだけた話も多かったのだが、時が進むにつれ示唆にとんだ政治に対する考察なども語っていて非常に面白かった。



日本の政治は遅れている。

こういった評価を前提に記者から質問を受けるたびに氏は嫌な思いをし、否定してきた。その前提にたって質問に答えることは、氏に日本の政治に対して説教させることであるし、何より氏の考えと違っていたからだ。
しかし、ある時自分で「日本の政治は遅れている」と言ってしまったことがあった。自分でも驚き、その後一生懸命考えたそうだ。
その結果わかったことは「遅れている」の比較対象が一つではないということ。

つまり、

日本の政治は「世界の政治」と比較して決して遅れてはいない。
しかし、日本の政治は変化の激しい「日本社会」に比べて遅れている。

ということだ。
90年代は「失われた10年」と言われるが、この間に日本社会には激しい変化が起こった。その変化に日本の政治は取り残されてしまった。


ここで氏が指摘していたのは自民党の集票システムだ。
代々続く地方名望家と、彼らが世話人を務めることで選挙に当選する国会議員がそれだという。
世話人が候補者を支援することで、世話人を支持する人もその候補者を選ぶ、「あなたにはお世話になっているから彼に投票するよ」という日本独特の構造こそ自民党の集票システムであったが、もはや社会は変化しこれが無効になりつつあるのにこのシステムから離れられないでいるのが自民党であると指摘していた。


だからこそマスコミで見る政治はくだらないのかもしれない。
行政による事務手続きの不手際を政治の場でくどくどと議論したり、これでもかというくらいポピュリズムに走る民主党がなぜ支持を伸ばしているのかといえば、やはり社会全体が変化を求めているからだろう。
社会の変化を求めているのではなく、社会の変化についてこれる政治を求めているのだ。
同時に自民党も強力な集票システムをもってしまったがゆえに社会とのコミュニケーションが足りなかったという点も影響いているだろう。
氏は「福田総理も毎日カメラの前で熱意をもって国民を説得する努力を怠らなければ支持率が落ちるようなことは無かっただろう」と言っていた。


では何をすべきか。

直接は講演後のQ&Aで語っていたことなのでもしかしたら氏の本意は別のところにもあるかもしれないが「公職選挙法を改正すべきだ」と言っていた。


アメリカでは国民の多くが政治の変化を求めている。
それが現れているのが民主党の候補者指名選挙だ。
史上初の女性大統領か、史上初の黒人大統領という道を選ぼうとしている。
当初はヒラリー候補が圧倒的有利と予想されていたが、様相は変わってきている。オバマ氏を支持する新たな人々が現れたのだ。
オバマ候補を支える献金のうち約90%が100ドル以下の小口献金者、さらにそのうちの40%が25ドル以下の献金だという。そして、献金者のうち約半数が「初めての政治献金」だという。

少数の大口献金者から献金を受け取るのではなく、多くの人から小口の献金者を受け取る、まさに「ロングテール現象」がおこっている。
人々は彼に変化の風を感じ、それがこれまで政治を諦観していた人々を動かし始めている。

この変化を生んだのはホームページとクレジットカードという技術と長い選挙戦という制度だ。
アメリカの人々は長い選挙戦であったからこそ、オバマ・クリントン両候補者を比べることが出来、IT技術を活かせる環境があったからこそ新たな風が吹いた。


これに対し日本では公職選挙法により告示から選挙まで2週間前後で、告示後はHPの更新やメールの送信は一切できない。
これを変えることによって日本の政治は大きく変わるのではないかと言っていた。

厳密にはアメリカの例と今書いた日本の例は別物だけど、確かにネットを活用した選挙運動が普及すれば選挙行動も大きく変わるだろう。
ネットの特徴として物理的な距離をゼロにして、リアルタイムで無数の人が同時に情報にアクセスできる点がある。これによってロングテール現象が生まれる。
つまり、有権者は情報コストをほとんどかけずに候補者を知れるし、候補者は自分の考えをアピールできる。
また、わずかな操作で有権者は候補者にコンタクトをとれ、候補者は同時に無数の人を相手にすることが出来る。



パソコンもメールも使えない、という人が国会議員をやっていること自体が、日本の政治を象徴的にあらわしているのだろう。
小泉政権の時は国民が変化の風を感じていた。小泉元首相が自民党のシステムを壊したことで新たな創造の種を蒔いたのに、続く安部元首相と福田首相がそれらを活かすことができなかった。安部元首相は仕事はばりばりやっていたようだが、政治家として人々に訴えかける力が欠如していたようだ。
今では自民党内にも従来の体制に戻そうという動きがある。それでは何も変わらないばかりか、逆効果ではないだろうか。

もっと熱意をもって訴え、変化を感じとらなければいけないんだろう。
何が事実で、それをどのように考え、どのようなビジョンがあるのか、という議論が欲しい。




と、ここまで3時間かかった。
カーティス氏は他にも日本語のこととか教育のことも語ってたんだけど、このネタが長くなってしまったので終わり。残りのネタはまたの機会にいろいろとmixして書きます。

会場行く前は少し眠い状態だったから寝てしまわないか心配だったんだけど、90分の講演の間は面白くて寝る暇などなかった。
学校の授業もこれくらい面白かったらいいんだけどなぁ。時々時間を忘れさせてくれる講義もあるけど、半年に一回だな。
教育に対する熱意も内容を面白く伝える技術も中と外とでは差がある。


そういえば今回の講演で2年ほど使ったメモ帳を使い切ってしまった。

写真

これまでかなりの数の講演会やセミナーに参加してきたけど、それらでとってきたメモがこの中に治められている。自分が過ごしてきた時間、積み重ねた時間の一つの表現型であり、少し感慨深い。
ただ、まだまだ先は長いので今後もしっかりと時間を積み重ねられるように生きていきたいと思う。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

udnkui

Author:udnkui
香川県出身。
京大大学院の博士院生。医科歯科卒。jazz好き。神社巡り好き。独学での法律、政治、経済、経営等社会科学の基礎知識と国会議員、外資投資銀行(米・英・欧)、学際系研究室などでのインターン経験があります。
興味事項:社会、科学、自然、芸術
日々精進してます。

注意事項


Twitter
カテゴリー
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログ内検索
RSSフィード
リンク
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。