スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

医療・金融

前の日記で一緒に書きたかったけど長くなりすぎるのでとっておきました。


医療っつーと医療サービスとそれに対する報酬、つまり保険制度を中心とした金の流れに目がいってしまう。
病気と経済情勢は関係ないからあたかも医療業界は景気不景気に関係ないかのように錯覚してしまう。

ところが夏に慶応商学部の権上善一助教授の論文を読んでこの考えはすっかり改まってしまった。医療業界の見え方がすっかりかわってしまった。

その論文では1990年におきた看護師不足について、その原因を1980年代の低金利に求め、余った資金を貸したい銀行と病床数を増やしてより自分達の病院の規模を大きくしようとする病院経営者との思惑が合致した結果病床数が急激に増え、その結果現場の看護師数が足りなくなってしまったというもの。
現に病床数と金利変動は有意に相関があった。

経済とは一見孤立しているように見える医療業界と一般市場経済との結びつきをダイナミックに論じているこの論文は自分にとってかなり衝撃的だった。


これより最近考えていることは今の医師不足問題。
金利が下がり、市場に資金が溢れている状況。日銀の量的緩和に象徴されるようなつい最近までの状況やないの。
ただし、医療制度改革により療養病床が大幅に減らされるので病院の規模を大きくするのではなく、勤務医が低金利の資金を借りて開業を行うと仮定する。

で思い出したのが日経onlineの記事。
そこに出てたグラフによると02年から03年にかけて新規開業数4540件であったのが次の年には4832件になり、その次の年には5752件となっている。しかしそこの記事では病院の労働環境が悪化したことが原因であると分析していた。

確かに医師の技術料の値下げがあり、病院経営が厳しい今現場では労働環境は悪化しているだろう。医局制度が壊れつつある今、有能な医師を確保するのにもお金がかかる。
しかし、それだけではなく、長期金利が低くなって、それを好機とばかりに自身の最終目的地であった「開業」に殺到し、病院の空洞化が進んでしまったのが大きな原因ではないのか。
元来人員に対して病床数の多い現場であったのだから容易に人材不足になりうる。

そしてここからが問題。

今医師不足を過酷な環境であることが原因として医師養成数を上げるとするとどうなるか。

今後景気回復を受け、日銀が利上げをしようとしている。
それを受けいずれは銀行の金利も上がる。
多額の資金がいる開業は金利が上がってはより困難になる。
すると勤務医の流入方向の人材フローは維持しつつも流出方向の人材フローは抑えられ、ストックが増加する。
すると勤務医不足は何もしなくとも徐々に改善するのではないか。

すると安易な養成数の増加は過剰な人員を生んですまうことにもつながってしまう。日本の社会保障制度は過剰な医師を雇えるようにはなっていない。なんてたって低負担低給付なうえに財政赤字。

もちろん小児科や産婦人科の人材不足は別問題だけど、こう見ると今後の動向を見るのが楽しみだわ。


金融はなかなか面白い。

今興味があるのは証券化。

医療機関は非営利であり、株式会社は参入を許されていない。
すると何が問題かっつーと資金調達が大変だってこと。
株式会社の利点は営利云々の前に市場から資金調達できるところにあるだろう。

通常医療機関を作るのなら銀行からお金を借りなければならない。その手段をもっと広くするものの一つが証券化だろう。
一般に銀行の金利が一番安く、第一候補になるんだけど、劣後融資として今後かなりの発展が見られる分野ではないかと思う。

証券化とは簡単に言うと売り買いできる権利書みたいなもので、どのようなものが考えられるのか今ググってみると診療報酬債権の証券化が考えられるそうだ。
ようするにその医者や病院が将来得るであろう診療報酬を証券化によって売ることができるってこと。場面が変わるとソフトバンクがvodafoneを買収した手段であるLBOになる。

これの何が医療業界に向いているかと考えると、まず医療機関は公共性が高く多くの出資者が得られるのではないかということ。もう一つは市民の目を経ることによって必要なところに資金が集まるのではないかということ。
銀行は回収のことを考えるが、証券化を行うことにより、必要のことを考える市民が出資者となる場合も考えられるのではないか。
また前半部に関係させるなら銀行に大きく依存する医療金融を安定させる役割もあろうかと思う。


俺は日本の医療にはブランドが必要だと思っている。総合病院では海外からも患者がくるような病院。歯科では良い歯科医療の象徴足りえるような医院。大きな資金を得るには銀行の力だけに頼るよりも市場の力も借りたほうがいいだろう。



ヘルスケアは以前からかなり注目度を高めていて、これまで閉鎖的だった病院にもアウトソーシング等を通じて市場社会との繋がりが深くなっている。
残念ながら厚労省はそういう考えはないようだけど、俺は将来のためにも保険制度の枠を狭くするべきだとも考えてる。
市場は金融を先頭に医療に入り込んでくるし、医療は研究開発を先頭として市場での役割を高めていくだろう。

なかなかこれから面白そうな部分ではないだろうか。


うまく自分の役割を見つけていきたいなぁ。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

udnkui

Author:udnkui
香川県出身。
京大大学院の博士院生。医科歯科卒。jazz好き。神社巡り好き。独学での法律、政治、経済、経営等社会科学の基礎知識と国会議員、外資投資銀行(米・英・欧)、学際系研究室などでのインターン経験があります。
興味事項:社会、科学、自然、芸術
日々精進してます。

注意事項


Twitter
カテゴリー
月別アーカイブ
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

ブログ内検索
RSSフィード
リンク
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。