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ただ一つのtrauma

今日は新歓ライブでした。
大入り満員。部員は立ち見状態。

今年はどの部活も盛況なようで。

とりあえずお客さんは入りまくったんやけど、おれ自身はかなーり中途半端な出来でした。練習の時は自由に動いた手も本番ではそこまで動かなかったり、いつもならイメージをもって叩いてるのに今回は頭空っぽのまま叩いてたり。
練習はせないかんわ、ほんま。

でも、まぁ楽しめたっちゃあ楽しめたからいいや。
とりあえず自分のバンドをはじめて作ってやったということで少し満足。



俺の場合、技術は今の自分が持っているもの以上のものはあんま求めてないから、練習では曲のイメージを作ってます。これは吹奏楽時代からずっとそう。
イメージが湧かなければ思うように手は動かないが、一度湧けば自分の能力の範囲内という制限はつくがイメージに合わせた表現で割りと自由に叩ける。
だからバンド練でもそれにむけて練習するわけではなく、バンド練の中でイメージをつかむようにしてるので、練習はじめなどはバンドメンバーに多大な迷惑をかけている。そこで入念な準備をしてきたメンバーがいたらもうどうしようもない。実際怒られたことも何度かあったが、性分というか俺の音楽のやり方なので変えるつもりはあまりない。




吹奏楽の頃からそうだ、と書いたが、俺の打楽器の技術や考え方の基礎はティンパニ(http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%8B)とともに形作られたものだ。ということでこの考えの成立を俺の唯一つのトラウマを絡めて過去話でも書こうかと。

注:個人の話でかつ糞長です。読んで得することは何一つない。



中学の頃、ささいなことで当初考えていた部活をやめてその15分後に吹奏楽部の門を叩いた。その一週間後にはティンパニという楽器に惚れて志望していた。半年後には実際に叩いていた。そして卒業するまで光洋中学校のティンパニは俺の楽器だったようなもんだ。

ティンパニのどこに惚れたか。
まず音。そして役割。
ティンパニはマレットでヘッド(皮)上を滑らせるだけの小さな音からケトル(胴体部分)の底まで音を響かせる大きな音まで非常に幅広い音量があり、また、器械によってペダルを踏むだけで音の高低も変えることができるので非常に豊かな表現力をもっている。それゆえ、オーケストラの中においては他の打楽器とは違って一つのパートとして扱われることも多い。
それだけ打楽器の中でも扱いこなすのは難しい楽器だと思う。まず大きな打面と大きな胴体を響かせなければならない。バスドラ(大太鼓)のように単純に叩くことはできない。また、大抵4つのティンパニを使うことが多いから手の動きなども訓練しなければならない。表現を行うには硬い音や柔らかい音を音量を変えずに出さなければいけないし、ロール(連打で連続した音を表現すること)を効果的に行うには複数のことを同時にしなければいけない。
俺は打楽器は鍵盤楽器以外ならどの楽器も心底好きだけど、後輩には「ティンパニは打楽器の王様」なんて言ってた。

練習はこの上なくしたので気づけば誰よりもうまくなっていた。ティンパニがあれば人の心は動かせる。ロール一つで人に鳥肌をたたせるなんて朝飯前てな感じで。実際評価も高かった。音楽科の先生にスカウトされたこともあった。

ティンパニで楽団を操る快感はこの上ないものだ。自分の思い通りに全体を盛り上がらせ、奏でた音が自分の思い通りの風景が作る。
二日たっても叩けない楽譜など皆無だったし、自分が思い描けばその通りの音が出ていた。同時に他の打楽器でも同じ事ができた。



つまりこの頃はイメージを作ることが最も重要な仕事だった。



そして高校に入り、始めからティンパニを任されこのままティンパニ三昧かと思われた。
が、高一の秋に友達からjazzに誘われてドラムを始めることになる。
正直jazzなどイメージが湧かず、付き合いみたいなもので始めたのだが、ここで発見をしてしまった。

自由に演奏ができる。

これまで技術がありつつも楽譜に縛られていた当時の自分は、St.Thomasのコピー譜にあったフリーのドラムソロを譜面を無視して叩くことを覚え、その自由に快感を覚えた。(参考:http://mixi.jp/view_diary.pl?id=68280597&owner_id=271459

それ以降、自由時間があればドラムを叩くようになった。


ティンパニに関してはどうだったかというと、ゆっくりと下り坂を降りていた。
始めに指摘されたのはその年の冬。
アンサンブルコンテスト(少人数演奏。俺は打楽器だけ)に向けてティンパニを叩いていたのだが、練習を見に来てくれていた打楽器の先生が世話役のOBに「彼はドラムに浮気でもしたのか」と聞いてきたらしい。なんでも俺が中学校でティンパニを叩いていたのを知っていたが、今日来てみて下手になっていたので残念だ、という風なことを言ったらしい。

少し間があくが、これを自覚したのは次の年の冬のアンサンブルコンテスト。
おかしい、自分が思っているように手が動かない。強い音を出すと音が割れる。
アンサンブルコンテスト自体の結果は非常に良かったが、自分のティンパニの腕がはっきりと落ちていることに気付いた。



そして高校生活で最後の大舞台の定期演奏会。
部長として演奏会自体の企画から実際に作ることまであれこれと仕事をしながら、候補曲に一つの曲を出した。

伊藤 康英作曲『吹奏楽のための抒情的「祭」』

この曲は一番最後の早くて派手なティンパニの旋律でクライマックスを迎えて終わる。中学の時からチェックしていた曲だ。
この曲は現役生が主役となって演奏する一部最後の曲として定演の演奏曲に選ばれた。



指揮者は同じ代の現役生。俺がティンパニにプライドをもっていて、かつこの曲の最後はティンパニが最高に輝く曲だということを知っている。そしてそれらが一つの結果になるように曲を作った。


本番当日。
自分が中心となって作ってきた演奏会。準備の際には隅から隅まで目を通し、演奏会全体のイメージを作って臨んでいた。友人も多く見に来ていた。
俺の頭の中は「お前ら俺のティンパニ見とけよ」といった感じ。
終演後に「すごかった」と言われることを想像していた。


そして本番。
幕が開き、一曲目、二曲目と進む。

そして四曲目。
日本的な祭りのリズムが随所に散りばめられ、力強い曲だ。
曲が終わりに近づくにつれ、緊張が高まる。だが、これはいつものことでこの本番の中の緊張の中でこそ最高のパフォーマンスが出せる。

いよいよ出番が近づく。
そして、叩きだそうとした次の瞬間


カツッ・・・


マレットを振り上げる時にマレットがティンパニのリム(縁の部分)にあたって左手から落としてしまった。
あせると同時にどうしようも無いことが一瞬のうちに頭の中で理解される。そのまま大きな穴があいたクライマックスを聞き、第一部が終わった。

その一部-二部間の休憩の時の心境は筆舌に尽くしがたい。
後で友達に聞いた話によると誰も近寄れないオーラを出していたらしい。
そりゃそうだ。一番プライドを持っていたティンパニの腕を1000人以上の観客の前で披露する機会を持ちながら、ささいな自分のミスで目の前で通り過ぎるのを待つことになってしまった。




これが俺の唯一つのトラウマ。
ある程度理性と必要をもって二部以降は正常にもどることができたが、頭の底ではそのことが重くのしかかっていた。
定演後にビデオなどができあがっても、とても恐ろしくて見れなかった。見ることを考えるだけで嫌だったし、その話題に近寄りたくも無かった。


今では普通だけど、正直ビデオを見るのは怖い。
実は日曜にあった後輩の演奏会でもこの曲をやっていて、見たらどうなるかと少しドキドキしてたんだけど、能の予定がかぶっていてその曲を聴くことはなかった。





後半は関係ないけど結論は、俺の中でjazzは開放であり、自由なものなんですわ。曲を作ることは自分の中でイメージすることと割と同じ意味だった。これを準備と訓練に変えることはなかなか難しい。
当然自分のイメージ通りにも叩けないこともちょくちょくあるからその時は練習するけど。

こういった背景をもつ人はあんまりいないし、drum自体もまったくの独学だから、jazz drumを教えるというのは実に苦手だ。
何しろ自由だから教えるものが無いということになってしまう。





もうちょっと周りに合わせた方がええんかなぁ~、などと考える今日この頃。
世の中を自分の中の当たり前に変えるのなんて不可能だ。
自分の中の当たり前を世の中に変えるのはどうだろう、云々。
その気もないのに書くのはやめようと思う。


またこんな時間だ。
はよ寝よ。
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プロフィール

udnkui

Author:udnkui
香川県出身。
京大大学院の博士院生。医科歯科卒。jazz好き。神社巡り好き。独学での法律、政治、経済、経営等社会科学の基礎知識と国会議員、外資投資銀行(米・英・欧)、学際系研究室などでのインターン経験があります。
興味事項:社会、科学、自然、芸術
日々精進してます。

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