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室井さん

容疑者室井慎次見てました。

いろいろ考えること多いなぁ。

行政の場と現場、その中の人と人。

青島さんと室井さんの「約束」になった現場と行政との関係はそのまんま医療分野にも適応できる。
行政組織である警察庁や警視庁と現場である所轄刑事が対立的構図にあるように、医療でも厚生労働省と医師・歯科医師等の医療者は概して対立関係にあるようだ。


そして医療者は厚労省の役人に対して「現場を無視している」と言う。




対立関係は多くの場合医療費に関しておこる。
なぜ対立がおこるのか。一説に厚労省は医療者を「いくらでも儲けようとする金の亡者」として見、医療者は「現場を無視して医療を統制しようとする権力の亡者」として見ているからだ、というものがある(池上直己)。

もう少し詳しくかつ単純にプレイヤーを見るなら政策資源となる予算を与える財務省と患者の医療費の一部を負担する保険者が厚労省の側にあり、医師会・歯科医師会からの支援をうける自民党が医療者の側にある。

で現実にどこで医療費が決まるかといえば中央社会保健医療協議会だ。医療者側委員8人、保険者側委員8人に公益代表委員4人の計20人によって行われる。会議の事務局は厚労省保険局医療課であり、委員への事前説明や技術的な事務は行政が行っている。
ただしここで決まるのはあくまで医療費の分け方であって、医療費総額は予算によって決まる。

予算は厚労省と財務省との折衝と与党政調や総務会と行政との折衝により決まり、年末に閣議決定され、年初に国会で可決されることにより医療費総額が決定される。その後前述の中医協によりそのパイの分け方が協議されることになる。

その予算は厚労省大臣官房会計課と財務省主計局の厚労省担当主計官との折衝や行政と自民党の政調厚生労働部会や総務会との折衝により決定され、年末に閣議決定された後、年初の国会予算委員会で審議され本会議にて可決されることにより決定する。ここでは与野党国対の折衝がある。

これに圧力を与え影響を与えるのが、医師会・歯科医師会・薬剤師会の三師会に、健康保険組合連合会等の保険者団体とその関連団体である経団連や連合等だ。




こんなことを羅列したってしょうがないな。
まぁ、前置きってことで。

重要なのはそこに関わる人と、どこまでもシビアな現実だ。


行政は国の制度として破綻することがないように政策を決定しなければいけない。もちろん国が破綻することがないように財政的制約もある。政策の面ではプロだ。
一方医療者は国民皆保険である以上国の政策の中で医療を行っていかなければならない。ところが政策云々以上に現実に患者を目の前にして医療を行わなければならない。

さらに医療者は現場で事件を解決する「術」を持った刑事であり、厚労省は国を運営する「責任」をもった官僚だ。
医療は警察と人間の心情が動く点で同じであるが、犯罪以上に高度な情報を取り扱い、現場と会議室に大きな隔たりができやすい。
厚労省では例えどんなに医療を良くしようとしたところで、それらを処理するのが一人一人の人間であり、限界がある。限界の中で現実に近づけるのが質の高い情報だが、日本にはその専門家の数が極めて少ない。


財政的なことをいえば、政治的問題から減税はしやすくても増税はしにくい。同じように医療についても保険料や患者負担を上げることは難しい。ところが財政赤字圧力により、医療費を抑えなければならない。すると医療費が足りなくなっても調達を増やすよりも出費を減らす方向に傾くことが推測される。


法律の間接的な影響もある。
法律の規定の仕方により現場の裁量の幅が決まる。例えばゴミ収集車は燃えるゴミに多少燃えないゴミが混ざってても清掃員の裁量により持って行ってくれるが、燃えないゴミを回収すると罰せられるようにすると清掃員はだれも持っていかなくなる。
さらに裁判の判例も現場に影響を与える。具体的内容に対する判断もそうだが、訴訟で患者勝訴が多くなったり賠償額が大きくなれば歯科医師も慎重になる。


さらにそこに個々人の思惑が絡んでくる。
厚労省の人事は複雑で、キャリアと呼ばれる国?(法律職・経済職・行政職)合格者の事務官と、医師・歯科医師・獣医師などの技官がいる。幹部ポストについても技官のつくポストがあり、そこで争いを見せることがあるようだ。



個人の思惑、組織の思惑を落ち着けるところに落ち着けるのが、圧力の大きさと調整能力だ。

「容疑者~」では筧利夫演じる新城が当事者とは違った立場から調整を行っていた。

現実でも調整を行うのは官僚の仕事だ。現場に最も関係するのは課長職で、それ以上は政策の折衝・調整に奔走することが多いらしい。
一方医療側は調整能力や折衝能力を持たなかったので、圧力という力で押すことをしてきた。それが日歯連事件などになった。医師会は数年前に日医総研というシンクタンクを作り、折衝能力を向上させようとしているが、日歯は計画はありつつも遅々として歩みが遅い。そもそもの研究者が少ないことがここでも影響している。



今後どうなるのだろう。
今後財政赤字に対する国民からの圧力が高まれば歳出削減のため医療費は削られるだろう。ところが患者は増える。単価は安くなり、より現場が厳しくなるんだろうか。
景気が良くなり、金利が上がれば開業が減り、医療業界内での競争は減るんだろうか。
医師の開業医比率の低下や歯科医師会不振により医師会・歯科医師会の組織率が低下し、政治力が弱くなるかもしれない。
医療の厳しい現実から優秀な受験生を確保できなくなり、これまで医療を成長させてきたような付加価値を生み出せなくなるかもしれない。

考えることはいろいろある。

時間も足りないし、書くスペースも足りない。
残りは明日書こう。
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プロフィール

udnkui

Author:udnkui
香川県出身。
京大大学院の博士院生。医科歯科卒。jazz好き。神社巡り好き。独学での法律、政治、経済、経営等社会科学の基礎知識と国会議員、外資投資銀行(米・英・欧)、学際系研究室などでのインターン経験があります。
興味事項:社会、科学、自然、芸術
日々精進してます。

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