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南北問題と仕組み

風邪ひきました。のどがめちゃいたい。
まぁしんどいわけじゃないのでまだましか。

腹だして寝るのはあと1ヶ月我慢しよう。



さて、今日はPBIコロキウムの日。
お題は新型インフルエンザについて。
中身はすっとばすとして、最後のほうになって議論は民間企業が対パンデミック薬を作ることの意味から社会貢献活動の方へ。

エイズや新型インフルエンザのような新たな危機が訪れるのは大抵発展途上国であり、その為の薬を作る技術を持つのは先進国である。
そしてこういった社会的驚異に対して薬を実際に作るのは民間企業である。
このギャップをどのような問題をはらむのか。


世界最大の鳥インフルエンザ死者を出しているインドネシア政府はWHOに検体を提供することを拒んでいた。
それは、WHOに検体を提供して新たなワクチンができたとしても、欧米の製薬会社によるワクチン薬では結局高価であり、インドネシアの貧しい患者は救われないのでは、という危惧があったからだ。

これは発展途上国がWHOに提供した検体が第3国の製薬企業の営利とその薬を買うことのできる先進国のために使われる、という構造があったから起こった問題だ。
結局、インドネシア政府は国内の死者の増加が続いていることもあり、5ヶ月後に提供を再開した。


こういった先進国と発展途上国のギャップに起こる問題は多い。
たとえばアメリカで開発された薬はあらゆる国で特許出願を行い、その特許に守られて薬を売ることが出来る。
しかし、発展途上国で貧しく法整備が遅れている国ではそうはいかない。知的財産権を無視したジェネリックメーカーがあったり、政府自体が無視したりする。

1997年に南アフリカがそうしたエイズのジェネリック薬を製造・輸入する法律を制定し、2001年には欧米の製薬企業39社が南アフリカ政府に対し訴訟を起こした。
南アフリカは成人の約20%がHIV感染者であり、平均寿命は2010年には36.5歳にまで落ち込むと予想されている国である。
(関連:http://udnkui.blog50.fc2.com/blog-entry-88.html)
こうした状況と国際世論の批判をうけて約一ヶ月後、製薬企業は訴訟を取り下げた。
しかし、本質的な解決に至ってはいない。つまり、南北格差を超えて倫理と民間企業がうまく協力し合える「仕組み」が不十分だということだ。
WTOのTRIPS協定というのがあり、上記の訴訟がこれに関するものだが、ブラジルや東南アジアなどでおこる製薬企業と現地政府との間の紛争をみるとやはりまだ問題を含んでいるんだろう。


先進国だからといって安心してもいられない。
新型インフルエンザに対して半年で国民の半数近いdoseのワクチンを作れる日本だが、その行程にあるウイルス弱毒化の過程はアメリカのベンチャーが開発して、現在イギリスのアストラゼネカがライセンスをもっている。
危機管理という点から見るとこれは大きな脆弱性をもつことになるのではにないか。



少し話しがそれたけど、では発展途上国の国一つをおびやかすほどの技術と責任をもった企業はどうあるべきか。
企業にどうあるべきと押しつけるのは間違いだろう。
なぜならば企業は株主のものであり、個人の集合体であるから、社会がそのように変わらなければ企業も都合のいいようにかわったりはしない。

では社会がどうあればこういった問題の解決に役立つのだろうか。
その一つの流れとしてでてきたのがグリーンファンドなどのSRI(Socially Responsible Investment:社会責任投資)だ。
これらのファンドは通常の企業評価に加え、エコへの貢献・貧困地域への援助など、ファンドごとの評価項目をもっていて、それらを加味して投資企業を選ぶ。
最近Jパワーを巡りニュースを騒がせていたイギリスのヘッジファンド、TCI(The Children's Investment Fund:
ザ・チルドレンズ・インベストメント・ファンド)もそうしたファンドの一つであり、収益の一部が自動的に貧困地域にすむ子供のために寄付される。
こうしたファンドは日本ではあまり聞かないが、欧米ではかなりの規模になる。アメリカではSRIの運用資産額が2兆ドルをこえるという。


ではなぜ欧米でここまでうまくまわっているのだろうか。
答えはそれが「仕組み」になっているからだ。

余力がある企業は積極的に非営利の慈善事業を行う。なぜかというとそういった活動を行うことで株価が上がるからだ。
株価を上げる原因となるのがそういった活動を評価するファンドの存在だ。
そして株価があがるのだからファンド側も使命をはたすことができるのだ。
つまり、ファンドに投資する人間は社会的責任を果たすということとリターンを得るという二つのことを同時に満たすことができる。だからこそ株価を押し上げるだけの巨額の投資資金がファンドに集まるのだ。
これは社会的責任を果たす企業により多くの資金が集まることを意味し、それらの企業が成長することを意味する。

ここに日本にはない仕組みがある。


このような仕組みは資本主義の行き過ぎを是正する働きがある。かといって政策で簡単に作り出せるものでもない。
ちなみに俺はこういった金融の力を日本の医療に応用したくて勉強を重ねている。そのせいで明日も2つの予定が入っている。




てことで終わり。

日記書いてる間に咳と鼻水がでてきだした。
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プロフィール

udnkui

Author:udnkui
香川県出身。
京大大学院の博士院生。医科歯科卒。jazz好き。神社巡り好き。独学での法律、政治、経済、経営等社会科学の基礎知識と国会議員、外資投資銀行(米・英・欧)、学際系研究室などでのインターン経験があります。
興味事項:社会、科学、自然、芸術
日々精進してます。

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